Archive for 6月 8th, 2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エキゾーストパイプの製作です。材質は安価なステンレスです。エンジンから一つ目と二つ目の曲げでは、曲げRを変えています。一つ目はここに収まるなるべく大きいRで曲げました。二つ目の曲げは同じRだと、まだ小さいのでさらに大きいRで曲げます。横からの見た目にこだわりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイレンサーも作りました。いまどき少数派のアルミサイレンサーです。まあ古い人間なんで。外観は古いですが中身はきちんと作ってあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このグラスウールを公表するのはこれが初めてです。画像はおろかテキストでも表に出したことはありません。もうずいぶん前からレースサポートなどの特別な仕様のサイレンサーに使用してきた長繊維グラスウールです。全日本モタード選手権でチャンピオンを獲った佐々木選手に供給していたサイレンサーにも使用していました。メーカーに仕様を指定して特別に作ってもらってます。これは一般によく知られていることですが、グラスウール充填タイプのサイレンサーの重要な特徴は、グラスウール密度(=詰める量)によって出力特性が変わるということです。このウールのメリットはこの密度のコントロールが容易なことです。そして上の画像で判るようにサイレンサーの中に入っているグラスウール繊維は1本なので、繊維端は2ヶ所しかなく消耗が非常に少ないので初期性能を長期にわたって維持できます。耐久系レーサーや公道仕様車には向いています。デメリットはサイレンサーを組むのに時間がかかり、値段が高くなるので量産品には使えないことです。逆にいえば量産品によく使用されているガラス繊維のマット(密度が低い)をこの長繊維グラスウールに詰め替えただけで、出力特性が向上する可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンジンはホンダXR250R(ME06)です。XLR250R(MD22)とはミッションの4,5,6速の変速比が違います。高速性能や燃費はあまり重要ではありませんのでクロスレシオのME06を選びました。それとレーサーのME06にはオーバーサイズの純正ピストンがあるのもいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2オーバーまであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『小さい車体に大きい(排気量、出力の)エンジンを積んだら・・・・・』というのは、カスタムのテーマとしては割とイメージされる頻度が高い部類に入ると思いますが、いざ実行するとなると『加工はどこへ依頼するのか、費用はどれくらいかかるのか、そもそもフレームを加工して大丈夫か等々』いわゆるボルトオンカスタムに比べるとハードルが高く、なかなか一歩を踏み出せないものです。

加工依頼先や費用については今回完成車を提示できたのでそれでよしとして、ここでは『大丈夫?』について。

 

何に対して『大丈夫?』なのか考えてみると・・・

・出力アップに対しての強度、耐久性

・重量増に対しての強度、耐久性

・追加工の精度、強度

こんなところでしょうか。

 

今回のエイプ改の場合、出力は3.7→30psです。出力の大幅アップで心配なのはおもに駆動系ですが、私はここがこのバイクで一番のウイークポイントだと思っています。具体的にはドリブンスプロケットとホイールの取り付け部分と、リアアクスルシャフトとスイングアームピボットのシャフト、ベアリングのキャパシティです。リアブレーキをあえて純正のドラムのままにしたのは『エイプの雰囲気を残す』ことだけではなく、むしろハブダンパが使えるメリットが大きいからです。スプロケットの加工工数からするとXRモタードやNSRのホイールを使った方が簡単ですし、同時にディスクブレーキになるので見栄えもいいのですが、スプロケット取り付けのM10三カ所のホイール側の強度が不安でした。このホイールを使用している量産車でもっとも出力が大きいのはNSR80の12psだと思いますが、安全係数を2倍とってもまだ足らずしかも車重も6kg以上NSRより重いため、走行中に壊れると危ないのでこのホイールの使用はやめます。エイプ純正ホイールのハブダンパを加工して520サイズのスプロケットを組み付け、出力アップ分の荷重を少しでも吸収するようにしました。シャフト、ベアリングについては点検をこまめにして、必要に応じて部品を交換することで対処します。800km走行時点ではハブダンパ、シャフト、ベアリングはいづれもへたりや段付き等異常は見られませんでした。

 

エンジン重量は19.8→33.9kgで、他にフレームの追加なども入れると車重で15~16kgの増加になります。これで一番問題なのはブレーキ性能です。明らかに制動に影響が出るレベルの重量増です。乗ってみた感じでは、ブレーキ単体の問題というよりもサスペンションやフレーム剛性などとの複合的な問題のようです。フレームには二度にわたって補強を施し、ステムベアリングを新品に交換し、サスペンションはエイプ100の純正品をセッティングを変更して組み込みました。安心してレバーを握り込める車体側のセッティングができればドラムブレーキでも法定速度内は平気です。まあ、一度ディスクに替えてみようとは思いますけど。

 

加工の精度については定盤にかんたんな治具を組み、xyz軸方向に傾きが無いように注意します。エンジンの位置はチェーンラインで左右方向が決まり、スイングアームピボットとカウンターシャフトの位置関係で上下、前後方向が決まります。自由度は大きくありません。フレームの接合強度的には断面積が急に変化するところに注意し、必要と思われるところには補強を追加しました。溶接すべきところとそうでないところを的確に使い分けて、捨てビードもきちんと入れます。

 

色々書きましたが、結局程度の問題だと思います。どれくらいのレベルを要求するのかということです。無加工のホンダ純正フレームでも100ccストッククラスで1シーズン走らせれば転倒しなくてもクラックは入るわけで、考えすぎずとりあえずやってみるのが良いかもしれません。目的(12インチミニに250ccエンジンを載せて走らせる)を実現することが第一であって、あまり細かいことにこだわり過ぎると何も進まなくなってしまいます。とにかく走れるものを作って走ってみないとそれが良いのかダメなのかすら判らないままです。例えば、『走らせてフレームにクラックが入ったなら、そこは修理して何か対策を考えればいいや』くらいの感覚でないとこういう特殊なものは難しいと思います。